キックオフ!“読書のまちかわさき” Vol.16 川崎フロンターレ選手が仲間を大切にしたくなる本を紹介! 「川崎フロンターレと本を読もう!」事業 川崎市教育委員会 川崎フロンターレ 特別インタビュー 川崎フロンターレ MF14 脇坂 泰斗 [わきざか・やすと] 「新しい発見や学びにつながる」 プロフィール ■1995年6月11日生まれ/神奈川県横浜市出身 柔らかい動きと繊細なボールタッチを駆使して狭いエリアでも前を向いて攻撃の起点となり、自らもゴール前に入り込みフィニッシュワークに絡む攻撃的MF。昨シーズンはリーグ戦でキャリアハイとなる9得点を挙げ、3年連続でJリーグベストイレブンを受賞した。名実ともにチームの中心的存在だ。今シーズンからはキャプテンに就任。背番号14が2024年のフロンターレを牽引する。 『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』 原田 大輔/著 小学館クリエイティブ/出版 2023 ■脇坂選手は子どもの頃や学生時代から本を読むのが好きだったんですか? 「周りの人たちと比べても読書をするタイプではなかったと思います。プロに入って先輩たちがいろいろな本を読んでいるのを見て僕も読むようになりました。昔は何か目的があって本屋に行ったときでも、なんとなく他の本が気になったり目についたりするじゃないですか。今はスマートフォンを使うことが当たり前の時代なので、○○さんのオススメの本みたいな情報をSNSで見かけて興味を持つことが多いです」 ■サッカー選手は遠征が多いので移動中や宿泊先で本を読むことが多いという話をよく聞きます。 「そうですね。飛行機移動でインターネットが使えない環境だったり、海外遠征で長期間滞在するときは空港の本屋さんで何か面白そうな本はないかなって探したりします」 ■ジャンルとしてはどういった本が好きですか? 「僕は小説というよりはドキュメンタリーや人物ものを読むことが多いです。興味がある人や知っている人の言葉・ストーリーが書かれている本ですね。最近だとフロンターレで一緒だったカオル(三笘薫・現日本代表)や同期のヒデ(守田英正・現日本代表)の本を読みました。あとは先輩のケンゴさん(中村憲剛)の本を読んだり。サッカー選手としてもリスペクトしている人たちがどういったことを考えながら生活しているのか、興味深いですよね。それが身近にいた人ならなおさらです」 ■一緒にプレーしていたときに、こういうことを考えていたんだって思い返したりするんですか? 「そうですね。あのときこんな風に考えていたからこうしたんだって物事がつながったりします。本を読むことで何かを発見したいという思いがあるんです。さまざまな考えを知るというのは1プレーヤーとしてだけではなく1人の人間としてもすごく勉強になります。だから、サッカー関連の本だけではなく、身体の使い―」 「一方、栄養学といった書籍にも興味があります」 ■では脇坂選手のオススメの一冊を教えてください。 「『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』です。内容をざっくり説明すると、川崎フロンターレというサッカークラブの歴史と、長年にわたりクラブに関わってきた人たちの話です。僕もインタビューに出させていただきましたが、選手やコーチングスタッフだけではなく営業やプロモーションといった部署の人たちのインタビューも掲載されています」 ■この一冊を読めば川崎フロンターレの歴史がわかるということですね。 「そうですね。川崎フロンターレの成り立ちや、そこで働く人たちのストーリーや一人ひとりの思いが詰まった一冊なので、ぜひ読んでほしいです。フロンターレに興味がある人はもちろんですが、プロスポーツの世界に興味がある方にもおすすめです。Jリーグのクラブは企業の名前ではなくて地域の名前が冠についていて、地元とより密接な関係があります。僕個人としても日本のプロサッカーはこうであってほしいと願っていますし、その地域の理念を体現しているのがフロンターレだと思っています。その歴史を遡りながら知ることができる一冊だと思います」 ■では最後に、本を読むことで得られるものはなんでしょうか。 「読書の一番の魅力は『学び』だと思います。本を読み進めることでいろいろな物事を知ることができるのはもちろんですが、例えば知らない言葉が出てきたときにその表現をインプットして自分のものにできる。プロサッカー選手はプレーを言語化して伝えることも大切なので、自分が話をするときにこの表現方法がいいかな、それとも違ったニュアンスのほうが伝わるかなとか、そういったことを考えます。知識を深めることで自己表現を学ぶことができるのも読書の魅力だと思います」 富士見公園 2024(令和6)年10月リニューアル OPEN! 川崎フロンターレが運営する新しい「富士見公園」は楽しさいっぱい! 2015年から川崎フロンターレが運営している「富士見公園」(川崎区富士見)は、再編整備工事のため約1年半閉鎖していましたが、このたび2024年10月にリニューアルオープン。新しい富士見公園はとにかく遊べる「楽しさ」がいっぱいです。 川崎駅方面から来て最初に目にとびこんでくるのは公園の新しい入口となる「エントランス広場」。次に富士通スタジアム川崎や、ボッチャやモルックなどパラスポーツを気軽に楽しめる「インクルーシブなスポーツ広場」が皆さんをお出迎えします。 スタジアムの脇を抜けると、そこには様々な広場が待っています。「ボール遊び広場」ではキャッチボールやバスケットボールなどが楽しめ、「インクルーシブな遊びの広場」ではさまざまな年齢・ハンディキャップを持つ子でも工夫を凝らした遊具で安全に楽しく遊ぶことができます。「芝生広場」は四季を通じてくつろぐことができ、広場にある桜並木は夜にライトアップされます。 芝生広場の周囲にも楽しい遊び場があります。人工芝スペースがある「みどりの遊具広場」では木製アスレチックで思いっきり遊びましょう!お腹が空いたら隣のカフェで美味しいピザも食べられます。 さらに芝生広場の隣にある「農と自然を体感する広場」は、水びだしになって遊べる噴水エリアや、はだしで駆け回れる土の広場、田んぼやビオトープ池、農作物を育てる畑など自然に触れられるエリアです。 富士見通りの反対側にはテニスコートや相撲場、カフェもあります。大きな駐車場もありますので、ご家族で一日中楽しむことができる公園です。ぜひ遊びに来てください! 富士見公園公式ホームページ https://fujimi-park.com/ これからも川崎フロンターレは、様々なことに挑戦し、川崎市を盛り上げていきます! 私のおすすめ! DF2 高井 幸大 [たかい・こうた] 選手プロフィール ■2004年9月4日生まれ/神奈川県横浜市出身 川崎フロンターレU-18出身。川崎フロンターレU-18出身。190センチを超える高さと体の幅が最大の武器のセンターバックだ。足元の技術だけでなくステップワークも向上し、隙のないDFとして進化を続けている。今シーズンから伊藤宏樹テクニカルダイレクターや登里享平(C大阪)が背負ってきた伝統の背番号2を継承。クラブから大きな期待を寄せられている表れだが、気負わず自分らしいプレーで、日本の主力へと成長してもらいたい。 『トラネコとクロネコ』 宮西達也/作・絵 鈴木出版/出版 2014 普段は喧嘩ばかりしているトラネコとクロネコですが、いざとなったら助け合いながら2匹で困難な道を乗り越えていくという友情物語です。仲が良いからこそ言いたいことを言い合える関係ってすごく大切だと思います。僕は母親につい余計なことを言って怒らせてしまうことがあったのですが、信頼しているからこそ本音を言えるという思いの裏返しでもあります。『トラネコとクロネコ』は絵本なので子どもでも読めますし、大人の方がお子さんに読み聞かせるのにも最適な一冊です。 私のおすすめ! DF7 車屋 紳太郎 [くるまや・しんたろう] 選手プロフィール ■1992年4月5日生まれ/熊本県熊本市出身 スピード、テクニック、フィジカルと、すべての要素において高いレベルを誇るDF。守備では対人戦や背後のスペースへの対応で強さを発揮し、攻撃では精度の高いパスや最終ラインからボールを持ち上げて起点となる。そんな冷静かつ大胆なプレー選択でチャンスにつなげるプレーは一級品だ。今シーズンもディフェンスリーダーとして攻守で存在感を放つ選手だ。 『ルフィの仲間力 「ONE PIECE」流、周りの人を味方に変える法』 安田 雪/著 PHP研究所/出版 2018 仲間との絆を深めるルフィの姿を描き出し、その重要性を強調した作品です。ルフィが仲間を信じ、支え合う姿は感動的で、彼の仲間への無償の愛と信頼が仲間たちの絆を結びつけ、困難を共に乗り越える力となる様子が心に残ります。それはサッカーでも同じで、この本を読んで改めて仲間を信じて一緒に困難を乗り越える絆の大切さを感じました。僕たちもタイトル獲得を1つの目標に頑張っているし、どんな強い対戦相手がいてもチームメイトと協力して勝利を目指しています。そういったところが自分たちとも通じるものがあると思います。 私のおすすめ! DF15 田邉 秀斗 [たなべ・しゅうと] 選手プロフィール ■2002年5月5日生まれ/京都府相楽郡出身 スピードを生かした対人戦の強さと、アグレッシブな攻撃参加が武器のDF。昨シーズンは3月にジェフユナイテッド千葉への育成型期限付き移籍から急遽復帰。J2での経験を生かして試合に出場した際は安定感のあるパフォーマンスを披露した。センターバック、両サイドバックをこなすことができるユーティリティ性を発揮し、スケールの大きな選手に育ってもらいたい。 『ラストシュート 絆を忘れない』 小宮 良之/著 KADOKAWA・角川文庫/出版 2018 サッカーを通して、仲間たちと時にはぶつかりながらも、彼らがチームとして成長していく過程が描かれています。僕も友達に誘われてサッカーを始めました。大会で仲間と優勝したい、できるだけ長くみんなとサッカーがしたいという思いなど、主人公に自分が重なる部分もあり、どこか懐かしさを感じながら読んでいました。小学生のときにこの本を読んでいれば、もっとサッカーが好きになったのではないかと思っています。もっとサッカーに打ち込んで、情熱を持てたのではないかなと。これからこの本を読める皆さんが羨ましいです。 私のおすすめ! GK21 安藤 駿介 [あんどう・しゅんすけ] 選手プロフィール ■1990年8月10日生まれ/東京都世田谷区出身 常に冷静沈着なプレースタイルで最後尾から守備陣をコントロールするGK。川崎フロンターレアカデミー出身、プロ入り16年目。クラブの歴史を知る一人であり、チームのことを考えてすぐに行動に移せる人間性も持ち合わせている。また、選手会長も務め、ピッチ内外でクラブを支える信頼厚いベテランGKだ。 『舟を編む』 三浦 しをん/著 光文社/出版 2011 出版社の営業部員が言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれて「大渡海(だいとかい)」という辞書の完成に向けて、仲間たちと創作に励むストーリーです。サッカーも一人ではできないスポーツです。それぞれがプロならではのこだわりや持ちながら仕事をする姿は共通するものがあります。僕は、実写映画を観てから小説を読みました。そうすると活字を読んで情景をイメージしやすくなるから、より楽しむことができます。この作品はアニメ化、ドラマ化、映画化されているので、まずは映像作品を観てから読むのもおすすめですよ。 私のおすすめ! FW24 宮城 天 [みやぎ・てん] 選手プロフィール ■2001年6月2日生まれ/神奈川県川崎市出身 期限付き移籍していたモンテディオ山形から復帰。 テクニカルなドリブルとボールコントロールに加えて、圧巻のシュートテクニックを武器に昨シーズンは6ゴールを挙げた。 また、J1参入プレーオフが懸かる最終節では試合終了間際にチームを勝利へと導くPK弾を決める強心臓の持ち主でもある。 2年ぶりにフロンターレでプレーする今シーズンは、今までの経験を存分に発揮してほしい。 『青春サプリ。いつだってそこに仲間がいる』 日比野 恭三・田中 夕子・青木 美帆/文 くじょう/絵 ポプラ社/出版 2020 この作品は、5つの異なる部活での実話をもとに描かれています。どれも短編なので、読む時間があまり取れない方も気軽に読めるのでおすすめです。僕はフロンターレのアカデミーで毎日サッカーに打ち込んでプロサッカー選手になるための努力をしていたので、こういう青春小説のように部活動を頑張っている人が羨ましくもありました。なので、もし部活動でサッカーをやっていたらこうだったのかなと想像しながら読めたのも面白かったです。また自分自身の大切な仲間たちとの絆を再確認し、彼らとの思い出を大切にしていこうと強く思いました。 私のおすすめ! DF31 ファン ウェルメスケルケン 際 [ふぁん・うぇるめすけるけん・さい] 選手プロフィール ■1994年6月28日生まれ/オランダ・マーストリヒト出身 NECナイメヘン(オランダ)より完全移籍加入。サイドに張るだけではなく、周りの動きを見ながら臨機応変に内側にも外側にもポジションをとってチームの潤滑油になれるサイドバック。 高校卒業後からオランダで活躍した経験を生かして、フロンターレの大きな力になってくれるだろう。自身初のJリーグでのプレーとなる今シーズンはサイドバックのスペシャリストとしてチームを支えてほしい。 『スラムにひびくバイオリン ゴミを楽器に変えたリサイクル・オーケストラ』 スーザン・フッド/作 サリー・ワーン・コンポート 絵 中家 多恵子/訳 汐文社/出版 2017 1人の人間がパラグアイのスラム街に住む子どもたちに音楽を教え、廃棄されたゴミを利用して楽器を作り出しオーケストラを結成する、という実話をもとにした物語です。知恵を絞ってものを作り出す力、そして仲間を信じる力が描かれている素晴らしい作品だと思いました。人それぞれ生活する環境は違いますが、そのなかで自分に何ができるのかを考え、その思いを形にして実現することはすごく大変なことだと思います。お金さえあれば何でも揃う豊かな時代ですが、だからこそ日本の子どもたちに読んでもらいたい作品です。 「川崎フロンターレと本を読もう!」事業について 2024年のテーマ 川崎フロンターレ選手が仲間を大切にしたくなる本を紹介 この冊子「キックオフ!読書のまちかわさき」は2024年度でvol.16となりました。 今年は、川崎フロンターレの選手が仲間を大切にしたくなる本を紹介しています。 この他、川崎市教育委員会と川崎フロンターレでは2024年度、読書普及イベントをはじめ、図書館利用マナー等を伝える人形劇、子どもたちに本を読み聞かせる「おはなし会」などを盛り込んだイベントを市立小学校で行います。この冊子やイベント等を通して少しでも読書を身近に感じていただけたら幸いです。 かわさき電子図書館がさらに便利になりました! かわさき電子図書館は、いつでもどこでも電子書籍を利用できるサービスです。そんなかわさき電子図書館が、10月22日にさらに便利になりました。 小説や生活関連書、ビジネス書などのコンテンツ約1500点を新たに取り揃えるほか、予約本が用意できたときにメールでお知らせする機能を追加し、図書館HPやアプリで電子書籍が検索できるようになりました。便利で使いやすくなった電子図書館で、読書をもっと楽しんでください。 アンケートにご協力ください。 オススメの1冊を紹介してくださった方の中から抽選で! 50名様にフロンターレオリジナルブックカバーをプレゼント! 応募締切 2024年11月29日 金曜日 2024シーズンのユニフォーム柄のブックカバーの写真。 ※画像デザインはイメージです。