川崎市立図書館 地域資料パスファインダーC 東海道川崎宿 図書館で調べてみませんか! 調べるための道しるべ パスファインダー あるトピックを調べるために役立つ資料を、分かりやすく紹介したもの(パスファインダー)を図書館では作成しています。 このほか探せない本や、わからないことがありましたら、お気軽に川崎市立図書館登録・相談カウンターまでおたずねください 川崎宿とは 「川崎宿」は東海道で江戸から2番目の宿場。 1601年(慶長6年)に東海道の宿駅・伝馬制度が定められた当初、「品川宿」の次は「神奈川宿」だったのですが距離が約5里(20km)と遠く、多摩川を渡る必要もあったため、他の宿場に遅れて1623年(元和9年)に開設されました。 町並みは六郷の渡船場から「久根崎」「新宿」「砂子」「小土呂」の4町で構成され、長さ約1.4km、本陣は2つ、幕末当時の戸数は約500軒、人口約2500人の宿場でした。 東海道を行き交う人々だけでなく川崎大師に参詣するための人々でも賑わい、「大師道」の分岐点にあった旅籠「万年屋」は「奈良茶飯」を名物として大変繁盛しました。 「川崎宿」は江戸日本橋から約半日の行程で、江戸を離れる人を見送る場合、江戸より同行して日帰りできる「川崎宿」で別れを惜しむ場合も多かったようです。 江戸中期の本陣・田中家の当主、田中休愚(兵庫)は本陣当主・名主・問屋役の3役を兼務したほか、渡船の権利を獲得し、その収入で宿場の財政を立て直すなどした「川崎宿」を代表する人物です。 東海道五拾三次之内川崎 六郷渡船 初代広重 最初の一冊 『川崎宿 街道のあしおと』 川崎商工会議所/監修                コクサイクリエイティブセンター/発行   2002年 佐藤本陣・田中本陣、万年屋跡や川崎宿内にあった神社、寺院、小土呂橋など川崎宿に関連した施設、史跡について、由来や現在の状況などがていねいに説明されています。 最近の現地の写真や昔と現在の地図なども掲載されており、川崎宿に興味を持った方が最初に手にとって読むのに適したガイドになっています。 一 川崎宿とは 基本資料 『東海道川崎宿』 三輪修三/著 八雲書房/発行  1982年 第1章では、写真を交えて石碑や石仏等の石造物を巡歴。 第2章では川崎宿の変遷をたどり、第3章では川崎宿にまつわる人物や風習等のエピソードを紹介しています。 巻末に年表と参考資料あり。 宿に関わる古文書やデータ表等も収録、川崎宿についてより深く知りたい・調べたい人に最適です。 『東海道−日本橋、そして川崎宿へ 東海道宿駅制度400年記念』 川崎市市民ミュージアム/編・発行  2001年 展覧会の図録として刊行。 川崎宿についての古文書や絵図などのカラー図版を多数収録。 「川崎駅全体之図」や『民間省要』(森家本)、立斎広重画「五十三駅東海道冨士見雙六」なども掲載されています。 「川崎宿事件簿1〜3」や「一口メモ」もあり、当時の川崎宿の賑わいが垣間見えるような1冊です。 『やさしい川崎の歴史』  小塚光治/編  川崎歴史研究会/発行  1990年 歴史の流れに沿い、それぞれの時代における川崎宿の役割が書かれています。 1694年(元禄7年)、西国へ向かうため、江戸深川の庵を発った松尾芭蕉が、川崎の宿で門人たちと別れに際し詠んだ句や、さびれた川崎宿が田中兵庫(休愚)の活躍で生き返ったことなども書かれています。 二 川崎宿と関わった人・物 『川崎の歴史五十三話』 三輪修三/著  多摩川新聞社/発行  1986年 第1章の「川崎南部編」に、川崎宿近辺の史話が多く取り上げられています。 コレラ流行時の稲毛神社へのお百度参りに、博打の勝ち目を教える不思議な小箱、将軍様に献上された象などなど、川崎宿と関わったいろいろな人や物のエピソードが満載です。 ちなみに、象の渡河の様子は、東海道かわさき宿交流館2Fの「川崎宿ものがたりBOX」の影絵風動画で紹介されています。 『ふるさと川崎の自然と歴史 下』 高橋嘉彦/著  高橋英/発行  2010年 第4部の第1章「東海道と川崎宿を歩く」に10話が収められています。 奈良茶飯で有名になり皇女和宮が宿泊した万年屋や川崎宿の財政再建に貢献した田中休愚の事の他、郷里の伊賀へ向かう松尾芭蕉が川崎宿の外れで見送りの門人たちとの別れの際に詠んだ句が刻まれた碑の事など、興味深いエピソードが平易なことばで書かれています。 『江戸幕府の代官群像』 村上直/著  同成社/発行  1997年 能吏として名を馳せた代官23人を記したこの本に、川崎宿本陣当主だった田中休愚が取り上げられています。 農村や宿場の現実に基づく経世論『民間省要』を著し、幕府に登用された休愚。 農民や庶民の側に立つ政治を目指した彼について、その業績や逸話が学べます。 二ケ領用水開鑿に尽力した小泉次太夫の1章もあります。 三 現代の川崎宿を歩いてみよう 『身近な街の歴史・史跡ガイド−川崎宿と周辺編−』 身近な街の歴史・史跡ガイド編集委員会/編  川崎歴史ガイド協会/発行  2007年  文字中心ですが、ルビつきで子どもにもわかりやすい本です。 『東海道と大師道−川崎歴史ガイド−』 川崎市企画調整局文化室/編  川崎市/発行  1983年 カラー写真を使い、歴史を中心に説明しています。 『川崎宿解説 まち歩き用シート』 東海道かわさき宿交流館/編・発行   2013年 江戸時代の地図と、現在の航空写真を並べて比較できます。 『てくてく東海道宿場探訪マップ STEP1川崎宿/神奈川宿』 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所/編・発行  2012年 川崎宿から神奈川宿までの詳しい地図に、名所旧跡の解説がついていて、ウォーキングのお供に最適です。 『東海道の宿場を歩く−ガイドが薦める首都圏出発−新版』 東海道ウォークガイドの会/編・著  神奈川新聞社/発行  2022年 日本橋から沼津までの宿場の特徴や史跡が地図とともに紹介されています。 実際にガイドをしている方の語り口でつづられているので読みやすく、川崎宿こぼれ話として三角おにぎりも紹介されています。 左:『東海道五拾三駅名所 川崎宿大師河原真景』 (部分) 一立斎広重/画 このパンフレットに掲載している浮世絵は、図書館ホームページのWebギャラリーにてご覧いただけます。 川崎市立図書館ホームページ https://www.library.city.kawasaki.jp/ ≪1ページの画像≫ 川崎宿と六郷の渡し>No.1『東海道五拾三次之内 六郷渡船』 ≪左の画像≫ 大師参詣>No.2『東海道五拾三駅名所 川崎宿大師河原真景』 四 施設に出かけて調べる 「東海道川崎宿」について学べる施設      ●東海道かわさき宿交流館                   川崎宿の歴史や文化が映像やグラフィック・模型などを通して 楽しみながら学べる施設です。 所在地    〒210-0001 川崎市川崎区本町1丁目8番地4 電 話    044-280-7321 開館時間   9:00〜17:00 休館日    月曜(休日の場合は開館、その直後の休日でない日) 12月29日〜1月3日 入館料    無料(一部企画展を除く) ホームページ  http://www.kawasakishuku.jp/ 五 インターネットで調べる 図書館ホームページで「東海道川崎宿」の本を探す 図書館ホームページ・蔵書検索画面で本を探す時は、「書名」または「件名」に  「東海道(トウカイドウ)」や「川崎宿(カワサキシュク)」を入れて検索してみてください。 「東海道川崎宿」を紹介したホームページ 東海道川崎宿 (川崎市川崎区役所) 東海道川崎宿に関する様々な情報にアクセスできます。 https://www.city.kawasaki.jp/kawasaki/category/94-10-2-6-0-0-0-0-0-0.html   東海道川崎宿起立400年記念サイト 川崎宿について、起立400年を記念した様々なプロジェクトや イベントの紹介だけでなく、街のみどころや歴史を紹介しています。 ガイドマップのダウンロードもできます。 https://kawasakishuku400.jp/ 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所「東海道への誘い」 神奈川県内の東海道について、11の宿場の案内や街道に在った施設の紹介などをしています。 https://www.ktr.mlit.go.jp/yokohama/tokaido/index.htm 川崎市立図書館 地域資料パスファインダー  C 東海道川崎宿 編集・発行:川崎市立図書館 地域資料担当者会議   2023年6月 【資料についての問い合わせ】 川崎市立中原図書館  пF044-722-4932 読書のまち・かわさき