加古里子(川崎ゆかりの人物)
加古里子(かこ さとし)
画像提供:加古総合研究所
生没年
1926(大正15)年ー2018(平成30)年
プロフィール
絵本作家、児童文学研究者。福井県今立郡国高村(現在の越前市)で中島家の次男として生まれる。本名は哲(さとし)。1933(昭和8)年に東京・板橋に転居。東京帝国大学工学部応用化学科で学ぶ。在学中、演劇研究会で舞台装置のデザイン・制作を行うとともに、ひそかに童話劇の脚本を書く。1948(昭和23)年、大学を卒業し、昭和電工に入社。
その後、現在の川崎市幸区に転居し、1970(昭和45)年まで居住。川崎セツルメント活動に参加し、川崎市古市場(現在の幸区古市場)で自作の紙芝居やフィルムに原画を写し彩色して映写する幻燈(げんとう)を上演するなど力を注ぐ。セツルメントの子どもたちとの交流は、著作『未来のだるまちゃんへ』の第3章「大切なことは、すべて子どもたちに教わった」に後年記しているように、創作活動に影響を与えた。
1959(昭和34)年、『だむのおじさんたち』で絵本作家の道へ。1973(昭和48)年に昭和電工を退社して加古総合研究所を始め、創作、大学講師、テレビのコメンテーター等多岐にわたって活躍した。代表作に『からすのパンやさん』『だるまちゃんとてんぐちゃん』『どろぼうがっこう』等のほか、科学絵本も多く手がけ、作品数は600点以上になる。
2018(平成30)年5月2日、藤沢市の自宅で永眠。享年92歳。
2009(平成21)年には、「第38回川崎市文化賞」を受賞。2015(平成27)年、川崎市立中原図書館で「かこさとし川崎の思い出~1950年代のセツルメント活動と子どもたち~」展、同年2月17日に中原市民館で川崎市立図書館読書普及講演会「絵本作家かこさとし 川崎の思い出」を開催。2018(平成30)年には、川崎市市民ミュージアムで「かこさとしのひみつ展ーだるまちゃんとさがしにいこうー」が開催された。
主な参考文献・著作等
・未来のだるまちゃんへ(かこさとし/著 文藝春秋 2014年)
・かこさとし 遊びと絵本で子どもの未来を(鈴木愛一郎/文 あかね書房 2021年)
・かこさとしと紙芝居 創作の原点(かこさとし・鈴木万里/著 童心社 2021年)
・かこさとし 子どもたちに伝えたかったこと(かこさとし・鈴木愛一郎・鈴木万里/著 平凡社 2022年)
・かこさとし科学絵本の世界(藤嶋昭/著 学研プラス 2022年)
・さいわい 広報特別号 特集かこさとし(川崎市幸区役所まちづくり推進部企画課/編・発行 2020年)
かこさとし公式サイト(https://kakosatoshi.jp外部リンク)
(掲載日:2023年12月13日)