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「10代に突入したアナタ」におくるブックガイドNo.24

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2016年1月から6月に発行された図書の中から「10代に突入したアナタ」におくるブックガイド
図書館のイチオシおすすめ本を読んでみませんか。

*ここで取り上げた図書は川崎市立図書館に所蔵されています。

ぼくたちのリアル
ぼくたちのリアルの表紙 戸森しるこ/著 佐藤真紀子/絵
講談社

幼なじみのリアルとおれ。そして転校生のサジはそれぞれに悩みを抱え、生きている。悩みを打ち明ける、誰かに話すってことはちょっと照れるし、恥ずかしい。カッコつけてるわけじゃないけど…。だけど、おれたちはリアルな自分を話せる友達がいるんだってことを、アイツが教えてくれたんだ。

それでも、海へ
それでも、海への表紙 安田菜津紀/写真・文
ポプラ社

間一髪で津波から逃れられたベテラン漁師のじいちゃん。漁船からみた自分の港は明かりもない、真っ暗な闇だった。「もう、海に出るのはやめよう」と思った。でも、そんなじいちゃんをもう一度海へ出させたのは、孫や漁師仲間、町人達への想いと、何よりも海を愛し、自然の恵みに感謝する気持ちからだった。

さくら坂
さくら坂の表紙 千葉朋代/作
小峰書店

高校生の美結は、ある日階段を降りていると、突然右膝に激痛が走り、入院することに。検査の結果、骨肉腫という病気があることがわかった。右足を切断しなければ、命を落とす可能性が高いと宣告されてしまう。友達から褒められた長くて綺麗な脚…。「普通」と違ってしまうこと、脚と別れなくてはいけないことに美結は悩むが…。

ニッポンの刑事たち
ニッポンの刑事たちの表紙 小川泰平/著
講談社

映画やドラマでは、さっそうと事件を解決していくかっこいい刑事たち。でも実際には、「犯罪を許さない」「被害者の無念をはらす」ために、我慢強く地道な作業を続けている。元神奈川県警刑事の著者が、苦労の絶えない捜査の裏話を明かした。この本を読んで、それでも「将来刑事になりたい」という人が増えることを願って…。

おもしろ妖怪学100夜
おもしろ妖怪学100夜の表紙 千葉幹夫/著 石井勉/画
子どもの未来社

カッパはなぜキュウリがすきなの?ウミボウズってどんな妖怪?ビンボウガミって妖怪なの?ザシキワラシってどんな家にでるの?赤ちゃんの妖怪はいるの?妖怪についてのQ&A、100問がここに…。日本各地の伝説や歴史書をもとにした、やさしいけれど本格派な一冊。これを読めばあなたも妖怪マスターに!

つちはんみょう
つちはんみょうの表紙 舘野鴻/作絵
偕成社

「つちはんみょう」って知ってる?メスは4000個もの卵をびっちりと土の中に生み固める。その中でも、生き残れるのはほんの数匹。体長1ミリにも満たない幼虫たちも自分の命を守り、生きていくために兄妹をも噛み殺し、成虫になっていく。「種(しゅ)の存続」をかけた、つちはんみょうの生涯を描いた本。

おはなをあげる
おはなをあげるの表紙 ジョナルノ・ローソン/作 シドニー・スミス/絵
ポプラ社

自転車の足下に、おはなを見つけて、摘んだ。高架下の壁のも摘んだ。バス停のうしろのコンクリートにも、あった。あ、公園の小道に、小鳥さんがたおれている。おはな、あげよう。お昼寝してるおじさまにも、あげよう。お散歩中の犬にもあげて、ママにも、弟にも…おはなをあげる。モノクロが色付いていく、文字のない絵本。

ラ・フォンテーヌ寓話
ラ・フォンテーヌ寓話の表紙 ラ・フォンテーヌ/作 ブーテ・ド・モンヴェル/絵 大澤千加/訳
洋洋社

17世紀のフランス古典主義を代表する詩人、ラ・フォンテーヌ。彼がイソップをはじめとする数々の物語に独自の解釈を加えて創作した寓話は、皮肉でシュールな物語だ。でも、そこには昔も今も変わらない真理が隠されている。繊細で美しい挿絵とともに、スパイスのきいた寓話の世界にひたってほしい。

オイレ夫人の深夜画廊
オイレ夫人の深夜画廊の表紙 斉藤洋/著 森田みちよ/画
偕成社

フランツはベルリンからミュンヘンに向かう途中、列車が動かず、見知らぬ街で下車することになった。その街で、夜しか開いていない不思議な店、「オイレ夫人の深夜画廊」に出会う。さがしものが見つかるというこの店で、フランツが手にしたのは、子どものころに作った小さな木彫りのライオンだった。さて、フランツのさがしものとは一体…。

がらくた学級の奇跡
がらくた学級の奇跡の表紙 パトリシア・ポラッコ/作 入江真佐子/訳
小峰書店

トリシャは、文字を読むことが難しい、識字障害のある女の子。新しい学校に行けば、普通のクラスに入れると思って学校を変えてみたが、やはり特別なクラスに編入することに。そこは周りから「がらくた学級」と呼ばれていたが、担任のピーターソン先生はクラスのみんなの個性を「宝物」と言ってくれた。

モンスーンの贈りもの
モンスーンの贈りものの表紙 ミタリ・パーキンス/作 永瀬比奈/訳
鈴木出版

なんでこんなにかっこよくなっちゃったの?わたしの手が届かないくらいに…。十五歳のジャズは、幼稚園からの親友でビジネスパートナーのスティーブのことを好きになってしまった。背が高いことがコンプレックスのジャズは、スティーブとうまく接することができなくなる。夏休み、ジャズ家族は、ママの故郷であるインドに滞在することになり…。

ボノボとともに
ボノボとともにの表紙 エリオット・シュレーファー/作 ふなとよし子/訳
福音館書店

「ボノボ」DNAの98パーセント以上が人と同じだと言われている類人猿。絶滅危惧種であるにもかかわらず、貧困のために食料とされることも多かったボノボ。夏休みに、母が働くコンゴ共和国のボノボ保護センターを訪れたソフィーは、ボノボの子オットーに出会う。内戦が勃発し、オットーを連れて密林に逃げ込んだソフィーを待ち受けていたのは…。

すべては平和のために
すべては平和のためにの表紙 濱野京子/作 白井裕子/絵
新日本出版社

舞台は21世紀半ばの近未来。平和創設企業によって、世界の紛争は調停で解決する時代である。まだ女子高生の和菜は、ある小さな南の島の内紛を解決するために調停員として派遣され、悲惨な爆撃によってがれきと化した集落を目撃する。「平和を守るため」という言葉のもとに、なぜ争いはうまれてしまうのか…。和菜は葛藤する。

庭のマロニエ
庭のマロニエの表紙 ジェフ・ゴッテスフェルド/文  ピーター・マッカーティ/絵 松川 真弓/訳
評論社

工場の裏庭にある、一本の美しいマロニエの木。170年も生きたそのマロニエは、かつてある少女を見つめていた。少女はいきいきと暮らし、喜びにあふれていた。あるとき戦争が始まり、家族と隠れ家に身を潜めた少女は、胸の内を日記につづっていくが…。悲しい戦争の現実を見届けたマロニエは、種や苗木となり、今も世界中で生き続けている。

七十二歳の卒業制作
七十二歳の卒業制作の表紙 田村せい子/作
福音館書店

戦後の生活苦から中学にすら通えず、家族のために働き続けた著者は、六十歳を迎えてから念願叶って夜間中学に通い、なんと七十二歳で大学を卒業した。“みんなで作った防空壕”や“先祖はお姫様?”など楽しかったこと、また空襲や貧困など辛かった体験を文章にすることで少しずつ自分の半生を受け入れていった、卒業制作の記録。

夜間中学へようこそ
夜間中学へようこその表紙 山本悦子/作
岩崎書店

「4月から夜間中学に通うんだ!」と、張り切っていたおばあちゃん。通学途中に捻挫してしまい、中学1年生の孫の優菜が一緒に通うことになった。年齢や国籍など、さまざまな事情をもつ人たちが通う、昼とはまったく違った夜の教室。問題もいっぱいあるけど、愛情や発見だらけの魅力あふれる世界で、優しくたくましく成長する優菜を応援しよう!

世界一のランナー
世界一のランナーの表紙 エリザベス・レアード/作 石谷尚子/訳
評論社

学校までの8キロを、毎日走って通うソロモンは11歳。誰にも言えない夢は、ランナーになること。一日中歩き通してたどり着いた憧れの首都アディスアベバで、おじいちゃんの秘密を知ったソロモン。ところが、おじいちゃんが突然倒れ、ソロモンはその知らせを家族に届けるために35キロの道を走り始める。おじいちゃんの秘密とは…。