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「10代に突入したアナタ」におくるブックガイドNo.37

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2022年7月~12月に発行された図書の中から「10代に突入したアナタ」におくるブックガイド。
図書館のイチオシおすすめ本を読んでみませんか。

*ここで取り上げた図書は川崎市立図書館に所蔵されています。

鈴の音が聞こえる
鈴の音が聞こえる 書影 辻みゆき/著
講談社 [913スズ]
4月、美空(みく)は新しい制服を身につけ盲学校の中等部に入学した。心配性の兄に見守られながら、新たな友人たちと学校生活を楽しむ日々を送っている。
一人で下校中、駅のホームで乗降客とぶつかり転倒しそうになったところを、ある人物に助けられる。美空は目が不自由な自分を助けてくれた人物に「ありがとう」を伝えたいと考えるが……。
おにのまつり
おにのまつり 書影 天川栄人/著
講談社 [913オニ]
岡山で毎年8月に行われるお祭り「うらじゃ」。
中学3年生の由良あさひは、問題児ばかり集めた舞踊チームのコーチを引き受けることになる。
あさひを含めた5人はそれぞれに悩みを抱えていたが、練習で苦楽を共にするうちに、徐々につながりを深めていく。
はじめはバラバラだった5人が迎えた本番では……。
かわいい子ランキング
かわいい子ランキング 書影 ブリジット・ヤング/作 三辺律子/訳
ほるぷ出版 [933カワ]
学校中の生徒に送られた、かわいい順番に女の子を並べたリスト。1位には控えめで目立たないイブの名前があった。
イブは自他ともに美人と認められている2位のソフィーからの視線や周囲からの注目、外見だけで判断されることに戸惑う。
誰がリストを作ったのか? その目的は? 校内のハロウィンパーティーを間近に控え、その核心に迫っていく。
いつまでいっしょ?
いつまでいっしょ? 書影 クリストファー・チェン/文 スティーブン・マイケル・キング/絵 なかがわちひろ/訳
国土社 [Eイツ]
とっても仲良しなネズミとパンダは、いつもいっしょに過ごしています。
ネズミが風にとばされそうになったときもパンダはすぐに手をつないでくれるのです。
あるとき、ネズミはパンダに「いつまでいっしょにいてくれるの?」と質問を投げかけます。パンダの答えは……。
愛と友情を感じる絵本。
バンピー
バンピー 書影 いとうみく/著
静山社 [913バン]
高校2年生の成(なり)は、母を病気で亡くし、父は失踪しているため、小学生の妹3人の面倒を見ている。
ある日、妹が万引きしたというスーパーからの電話を受け迎えに行くと、そこにいたのは見知らぬ女子高生、蛍(ほたる)だった。彼女は成の異母兄妹だと言い、家に転がり込んでくる。さらに近所に住む叔母の小春も加わり、家は大賑わい。
蛍の事情とは? そして父親の行方とは……。
母の国、父の国
母の国、父の国 書影 小手鞠るい/著
さ・え・ら書房 [913ハハ]
エミリは日本人の母とドミニカ人の父との間に生まれた。
父の顔を知らず、幼くして母と別れたエミリは、その黒い肌を理由に差別や偏見にさらされ、苦しみもがきながら成長する。
恋人からの手酷い裏切りにあい、生きる気力を失っていた彼女は、母の住む町を見、父の国を訪ねることでたくましく生きていく意志を胸に立ち上がる。そしてついに自分の居場所「わたしの国」を見つけ出す。
世界はこんなに美しい
世界はこんなに美しい 書影 エイミー・ノヴェスキー/文 ジュリー・モースタッド/絵 横山和江/訳
工学図書 [Eセカ]
1973年、オートバイに乗り初めて世界一周をしたフランス人女性アンヌ。カナダ、アラスカ、日本、インド、アフガニスタン……と、約20,000キロを走破した。
その旅で出会った人々や、その時々の思いを綴った物語。「世界は美しくあってほしい、そして世界は美しかった。」と、彼女は自身の経験を通して伝えている。
PIHOTEK
PIHOTEK 書影 荻田泰永/文 井上奈奈/絵
講談社 [Eピヒ]
PIHOTEK(ピヒュッティ)。たった一人北極を歩いて旅をしている僕に、イヌイットの友人が与えてくれた名前だ。
歩いていると北極の動物たちが生活をしている姿が見えてくる。彼らはこの世界での生き方を知っている。
空からは暗闇がおりてきた。寝袋にくるまり身を横たえると、風の奥から何かが聞こえてくる。すべての営みが風になって聞こえてくる。
自由を求めて冒険へ!
自由を求めて冒険へ! 書影 春間豪太郎/著
日本標準 [294]
冒険の舞台はモロッコ、キルギス、チュニジア。著者は動物たちと一緒に野宿をしながら旅をしている。現地の人々や動物たちと出会い、トラブルに遭いながらも乗り越えて旅を続けるノンフィクション。
著者はこのような冒険を「リアルRPG」と呼んでいる。さぁ! 一緒に「リアルRPG」を楽しもう!
ごはん食べにおいでよ
ごはん食べにおいでよ 書影 小手鞠るい/作 satsuki/画
講談社 [913ゴハ]
この本はベイカリーカフェ「りんごの木」のマスター、森崎雪が中学生のときの物語。
雪は料理が大好きなベジタリアン。父親との二人暮らしで着実にその腕を磨いている。
彼は得意の料理で周囲の人々と交流を深めていく中で、食料廃棄、ひとり親家庭、捨てネコなど様々な問題と関わるようになる。
さあ、美味しいごはんと一緒に、SDGsについて考えてみよう!
大きな大きな大きな足あと
大きな大きな大きな足あと 書影 ロブ・シアーズ/著 トム・シアーズ/著 きたむらさとし/訳
創元社 [519]
現在の地球上の全ての人間は80億人。想像できますか? 全人類を一人にまとめてみると……。
「合体人間」という驚きの設定で始まり、あらゆるものを視覚的に比較し、目に見える形で描かれている本書。その身長や体重など、地球規模のスケールで示された数字は目を見張るものだ。
人間が増えたことによる環境の変化や生態系の影響は着実にある。これからの地球のために今できることは何か……。
世界遺産を救え!
世界遺産を救え! 書影 レオ・ホプキンソン/著 武井摩利/訳
創元社 [709]
ユネスコで登録された世界遺産は全人類にとって重要で、将来に向けて守り伝えていくべき大切な宝物だ。
現在、環境変化や人の手による都市化、開発、武力紛争等により消滅の危機にさらされている世界遺産も多い。
この本では世界遺産を取り巻く現状と、危機に対して立ち向かう多くの人々や団体の活動について紹介している。
すばらしい世界遺産とすばらしい人々を知る旅に出よう。
ジェイク・ランサムとどくろ王の影
ジェイク・ランサムとどくろ王の影 上 書影 ジェームズ・ロリンズ/著 桑田健/訳 岩崎美奈子/イラスト
竹書房 [933ジエ]
ジェイク・ランサムは考古学者を目指す少年。夢のきっかけである考古学者の両親は三年前、不思議な金貨を遺して遺跡現場から失踪してしまった。
ある日、彼と姉のケイディは謎の招待状によって大英博物館のマヤ文明展に誘われる。
展示を鑑賞していると、ピラミッドの発掘品と金貨が共鳴し、二人は異世界に飛ばされてしまった。そこはマヤ人や古代ローマ人など、今では失われた人々が生きている世界で……。
ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス 書影 ミヒャエル・エンデ/作  ヴィーラント・フロイント/作 
木本栄/訳  junaida/絵
小学館 [943ロド]
恐れを知らない少年クニルプスは、怖がり屋の自称「盗賊騎士」ロドリゴ・ラウバインの従者になるため彼のもとに転がり込む。二人が出会ってしまったことで、物語は思ってもみなかった方向へ突き進んでいく。
かしこいオウム、おてんばなお姫様、魔法使いや竜も加わり、物語は最後の最後まで予測不能な展開に……。
魔女だったかもしれないわたし
魔女だったかもしれないわたし 書影 エル・マクニコル/著  櫛田理絵/訳
PHP研究所 [933マジ]
アディは自閉の少女。親友のオードリー以外、クラスメイトも担任の先生もわたしをわかってくれない。
ある日の授業で、昔、「人と違う」というだけで処刑されてしまう「魔女裁判」の話を聞いた。ショックだった。わたしも昔なら魔女にされていたかもしれない。
アディはあやまちの歴史をわすれないよう、村の委員会に慰霊碑を作ることを提案するが……。
チャンス
チャンス 書影 ユリ・シュルヴィッツ/作 原田勝/訳
小学館 [936チヤ]
「ゆき」や「よあけ」などの作品で有名な絵本作家ユリ・シュルヴィッツが、自身の戦争体験を書いた本。
絵を描くことが大好きな少年ユリは、第二次大戦中、迫害を受け祖国ポーランドを脱出する。難民として世界を転々とする苦しいときを支えてくれたのは、やはり絵を描く楽しさなのだった。
カメラにうつらなかった真実
カメラにうつらなかった真実 書影 エリザベス・パートリッジ/文 ローレン・タマキ/絵 松波佐知子/訳
徳間書店 [334]
太平洋戦争下、アメリカに住む日本人や日系アメリカ人は収容所での生活を強いられました。
3人の写真家が記録として残した写真からは、強制収容された悲惨な日常を感じることはありません。
むしろ、写真に写されなかった部分に、戦争によって差別され、平和な日常を奪われた当時の人々の真実が隠されていたのです。
僕らが学校に行く理由
僕らが学校に行く理由 書影 渋谷敦志/写真・文
ポプラ社 [372]
知識や学歴は、自分が努力したから手に入れられたものだと思っていた。だが、生きていくのに精一杯で学校に行けない子どもたちが世界にはたくさんいる。
戦争や貧困など過酷な環境にいる子どもたちの撮影を通して、著者がいきついた「学ぶことの意義」を一緒に考えてみたい。